VCO

出典: くみこみックス

VCO(Voltage Controlled Oscillator)

 電圧制御発振器.入力された制御電圧によって発振周波数を変えられる.発振回路部分の種類によって,VCXO(クリスタル発振回路),VCSO(SAW共振)などともいう.

 VCOは,希望する周波数を得るためにPLL回路の中で使われる.周波数を変える方法としては,IC化されたVCOの多くはCR(キャパシタンスと抵抗)の充放電による発振回路を用い,充電電流によって周波数を制御する.送受信回路に用いられるLC共振や水晶共振による発振回路の場合,可変容量ダイオードを用いて共振周波数をシフトする.VCOのゲインは,制御電圧の変化でどのくらい出力周波数が変動するのかをHz/V(または角速度を用いてrad/sec/V)で表す.あまりゲインが低いと,広い制御電圧範囲となり,高い電源電圧が必要になる.ゲインが高いと,制御電圧に含まれるノイズによって発振周波数が容易に変化し,サイド・バンドに不要なスペクトラム成分が乗る.

 VCOのほかの特性として,発振出力レベル(dBm),出力高調波レベル(dBc),負荷インピーダンス変動による周波数変動,電源電圧変動による周波数変動,位相ノイズなどがある.VCOは,PLLを内蔵する送受信回路の性能を大きく左右するので,さまざまな動作環境において,できる限りきれいなスペクトラムをもつ出力が求められる.同時に,高性能なVCOほどノイズのない静かな制御電圧が求められる.

【出典】Interface編集部 編;組み込み技術用語集,Interface 2007年8月号 別冊付録,CQ出版社,2007年8月.




【出典】西久保 靖彦;基本システムLSI用語辞典,CQ出版社,2000年5月.

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