MRAM

出典: くみこみックス

MRAM(Magnetic RAM)

 高速アクセス,高集積度,不揮発といった特徴をもつ次世代メモリ素子技術.既存のフラッシュROMの置き換えだけでなく,携帯型機器ではDRAMに代わる素子としても期待されている.DRAMのトランジスタに相当する部分にTMR(Tunnering Magnetoresistive)素子を使い,磁化状態の抵抗値の違いを利用して情報を読み書きする.具体的には,TMR素子による各記憶セルをワード線,ビット線で選択し,パルス電流を流すことで生じる磁界合成でTMRの片層だけを磁界反転し,“1”または“0”の状態を得る.これを読み出し線で読み出せば,磁気スピン依存散乱効果により,平行磁化状態なら低抵抗として,反平行磁化状態なら高抵抗として検出できる.原理は磁気コア・メモリ時代に考案されていた.数原子程度の厚みで形成されるTMR素子の実用化や熱揺らぎ問題に対する動作安定性の理論実証などが進み,ようやく実現の目途がたった.

【出典】Interface編集部 編;組み込み技術用語集,Interface 2007年8月号 別冊付録,CQ出版社,2007年8月.


 磁気を利用してデータを記憶する素子を用いた不揮発性メモリ.基本動作はハード・ディスク装置(HDD)と同じ原理で,記憶素子構造はGMR(Giant Magneto-Resistive)膜に似ている.米国IBM社が1999年5月にINTERMAG ’99で発表した.SRAMなみの高速性とDRAMなみの高集積度を特徴としている.


画像:lsi_f107.gif

図 MRAMセルの構成法



【出典】西久保 靖彦;基本システムLSI用語辞典,CQ出版社,2000年5月.

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