HyperTransport

出典: くみこみックス

 AMD(Advanced Micro Devices)社が開発した汎用のチップ間高速接続インターフェース.従来のチップ間接続は,PCIバスに合わせた133Mバイト/sや,Intel社のハブ・アーキテクチャによる266Mバイト/sで,PCI-XやInfiniBandなどの高速バスには帯域不足だった.Hyper Transportは,この帯域不足を解消するために開発された.

 汎用性が高く,高速化や低価格化が容易で,しかも無料でライセンスしていることから,Cisco Systems社やTransmeta社,Sun Microsystem社など,多くのメーカが自社製品への採用計画を表明した.また,グラフィックスLSIベンダのnVIDIA社も,チップ間接続にHyperTransportを採用したnForceと呼ばれるマルチメディア・チップセットを出荷した.

 もともと,LDT(Lightning Data Technology)という開発コード名で,AMD社製CPUを用いたマルチプロセッサ・サーバのメモリ・コントローラとI/Oコントローラの間を接続するインターフェースとして開発された.単方向で1ビット当たり1.6Gbpsの伝送速度をもち,2,4,8,16,32ビットのビット構成から必要な帯域幅に応じて選択できる.8ビット幅なら1.6Gバイト/s,32ビットなら6.4Gバイト/sのデータ伝送速度が得られる.各信号線は単方向の差動式インターフェースを採用し,データのほか,クロック,制御信号,GND,リファレンス電圧,PowerOKの信号からなる.

【出典】Interface編集部 編;組み込み技術用語集,Interface 2007年8月号 別冊付録,CQ出版社,2007年8月.

表示