AC'97

出典: くみこみックス

AC'97【Audio Codec '97】

 Intel社が1997年に定めたパソコンのサウンド機能をハードウェア・レベルで規定した規格の名称.チップセットにディジタル・コントローラを内蔵し,CODECチップと若干の部品だけで,最大48kHzサンプリングの20ビット・ディジタル・オーディオ信号を6チャネル出力できる.CODECチップには,アナログ・ミキサやD-Aコンバータを内蔵し,パッケージや端子の機能,ACタイミング特性などが厳密に規定されている.なお,AC'97非対応チップセット用に,ディジタル・コントローラとCODECを1チップ化したものもある.

 用途に応じて外部出力端子の構成を3種類規定している.すなわち,ステレオ出力端子のみのBasic,4チャネル出力が可能なDelux,4チャネルに加えてS/PDIF(Sony/Philips Digital Interface)の光ディジタル端子を持ち,6チャネル出力が可能なAudiophileである.ただし,AC'97はサラウンド機能そのものは規定しないので,デコーダ・チップやソフトウェアを別途搭載する必要がある.逆に言えば,各種サラウンド方式のライセンスは不要で製品化できるということである.

 AC'97のディジタル・コントローラとCODECチップは,AC-Linkと呼ぶシリアル通信チャネルで接続される.1フレームは21μs(48kHz)で,16ビット×1(制御用)と20ビット×6(データ)の計13スロット(256ビット)を伝送する.このフレーム構造が,AC'97の仕様の上限を決定している.

【出典】Interface編集部 編;組み込み技術用語集,Interface 2007年8月号 別冊付録,CQ出版社,2007年8月.

表示