リーク電流

出典: くみこみックス

リーク電流(リークでんりゅう) 【Leak Current】

 リークは,絶縁されていても電流が量子力学的な効果などによって漏れ出してしまう現象をいいます.リーク電流は,半導体の微細化が進むと指数関数的に増加します.最近のLSIは消費電力が大きな問題となっていますが,微細化が進んだことによって増加したリーク電流がその大きな要因として挙げられています.このリーク電流を抑制するため,絶縁膜に低い誘電率を持つ素材を使うなどの技術開発が進んでいます.

【出典】(株)アルティマ 技術統括部 一同,下馬場 朋禄,山際 伸一,横溝 憲治;システム開発者のためのFPGA用語集,Design Wave Magazine 2008年12月号 別冊付録,CQ出版社,2008年12月.


 シリコン上に形成された個々のトランジスタは,半導体PN接合に逆バイアスを印加することによって,分離されている.この逆バイアスによる電源電流のわずかな漏れがリーク電流である.  CMOS構造の場合,従来はリーク電流が十分小さかったため,無視することができた.しかし,LSIのチップ面積が増大するにつれて,無視できなくなってきている.消費電力を下げるために,CMOS動作電圧を下げたり,非動作時の基板バイアスを小さくしたり,非動作時の電源を切り離す(アイドル状態にする)などの回路的な工夫が行われている.さらに,トランジスタの分離にPN接合を使わないSOI基板の採用なども始まっている.

【出典】西久保 靖彦;基本システムLSI用語辞典,CQ出版社,2000年5月.

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