バック・コンバータ

出典: くみこみックス

 入力直流電圧をより低い電圧の直流電圧に変換するスイッチング電源回路.入力電圧をスイッチング素子でON/OFFして,そのパルスの平均値から出力電圧を作る.従って,シリーズ・ドロッパ型のような電圧降下に起因するロス(損失)が原理的に発生しない.ON/OFFされたパルス状の電圧は,インダクタの磁気エネルギーとして蓄えることで平均化して直流出力を得る.スイッチング素子がONのときにインダクタにエネルギーが蓄えられ,OFFすると同時にダイオードがONしてインダクタからエネルギーが負荷へ放出される.CPU用電源など1V〜3Vの出力電圧ともなると,ダイオードの順方向電圧降下の占めるロスが大きくなるので,ここをMOSFETで置き換えた同期整流型のバック・コンバータが主流となっている.スイッチング周波数は,高いほど入出力のLCフィルタを小型化できる反面,スイッチング・ロスにより効率が低下し,不要輻射ノイズも大きくなるので,このトレードオフで決定される.

【出典】Interface編集部 編;組み込み技術用語集,Interface 2007年8月号 別冊付録,CQ出版社,2007年8月.

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