アプライアンス

出典: くみこみックス

 特定用途向けの専用機を指す.本来の意味では,ゲーム機や自動販売機など,既存の機器の大半はアプライアンスと言える.最近では,Webブラウザ専用端末やWebサーバ,ファイア・ウォール,DNS,DHCP,IPルータ,キャッシュ・サーバといったインターネット・サーバ機能を搭載した機器など,かつてUNIXワークステーションやパソコンを使って実現していた機能を専用機化したものを,特にアプライアンスと呼ぶ.

 その内部は汎用のパソコンとほぼ同じ構成,同じ部品で作られている.しかし,専用機化している分,低価格で取り扱いやすいという利点がある.特に,オープン・ソース系のライセンス・フリーOSを使った製品が多いのも特徴である.専用機化にあたっては,ハード・ディスクなどの可動部分を排し,ROMから読み出したOSや各種ソフトウェアをRAMディスク上で動作させるなどの方法で信頼性を高め,使用環境を選ばないような工夫も行われている.

 こうした機器の登場は,既存の組み込み機器や家電機器,ゲーム機に大きな影響を与えるかもしれない.例えば,Microsoft社はXboxというゲーム専用機を市場投入しているが,その内部はごく一般的なパソコン相当の回路に高性能グラフィックス・アダプタを搭載したものである.一方,テレビ電話端末やDVDプレーヤなど,従来の専用機が得意とする分野については,パソコンなどの専用機化によって実現することはまだ価格的に難しいと言われている.

【出典】Interface編集部 編;組み込み技術用語集,Interface 2007年8月号 別冊付録,CQ出版社,2007年8月.

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