PWM

出典: くみこみックス

版間での差分

S hira (会話 | 投稿記録)
(新しいページ: 'PWM(Plus Width Modulation)  アナログ値をパルスのONとOFFの平均値で表す手法の一つ.PWM信号はパルスの平均値が表現したい信号にな...')
次の差分→

2008年12月25日 (木) 07:23の版

PWM(Plus Width Modulation)

 アナログ値をパルスのONとOFFの平均値で表す手法の一つ.PWM信号はパルスの平均値が表現したい信号になるようにパルスの幅が作られているため,ローパス・フィルタ(LPF)を通すだけで目的の出力を再現できる.ディジタル素子(例えばマイコン)の出力でアナログ値を直接表現したいときや,半導体素子をリニア領域で動作させると発熱が大きくて効率が低下するため,出力素子をONかOFFの飽和領域で動作させるときなどに用いられる.

 PWMは,パルスの周期は一定で,デューティ比が変化する変調である.PWMによって表現できるアナログ信号の周波数上限は,パルスのスイッチング周波数の1/2未満となる.あまり急しゅんな特性のLPFを用いることはコストや性能の面で好ましくないので,スイッチング周波数をアナログ信号帯域上限の5~10倍以上に設定することが多い.

 スイッチング電源は,PWMによってスイッチング素子をON/OFFさせて目的の平均値(出力電圧)を得るように構成されている.D級アンプでは,PWMの平均値が増幅したい音楽信号になるように変化させておいて,そのパルスで大きな電源電圧をスイッチングすることにより信号を増幅する.PWMはスイッチング段の電圧振幅が一定であるという仮定のもとにパルス幅を決めるので,信号をいったんPWMに変換すると時間軸の情報だけとなる.そこで,ノイズ環境をまたいで信号を伝達するアイソレーション・アンプのような用途にも応用されている.

【出典】Interface編集部 編;組み込み技術用語集,Interface 2007年8月号 別冊付録,CQ出版社,2007年8月.

表示