JPEG 2000

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 画像圧縮方式として知られるJPEGの拡張版.ISOとITU-TSの協同組織であるJPEGにより,2001年1月に策定・規格化された.JPEGで採用されていた離散コサイン変換から離散ウェーブレット変換へとアルゴリズムが変わったことにより,さらに高い圧縮率と高画質を実現した.オプションで可逆圧縮やファイル・サイズを指定した圧縮も可能なほか,ウェーブレット変換の性質を利用した電子透かし情報の埋め込みにも対応するなど,より広範な用途を想定している.

 離散ウェーブレット変換は,一種のサブバンド符号化で,元の画像の周波数成分をウェーブレット関数で高域と低域に分割し,さらに画像を垂直方向,水平方向へと分割していく.ただし,一般のサブバンド符号化と異なり,高域は分割を繰り返さない.このため,高域成分に対するフィルタの精度が高くなる.これによって,得られた圧縮後の画像に表れるブロックひずみやモスキート・ノイズ(ブロック境界の水泡のようなノイズ)が目立ちにくくなる.さらに,サブバンド符号化の特徴である多重解像度も実現している.つまり,1枚の画像に対して複数の解像度をもつ画像成分を重ね合わせで合成できるので,高画質の画像も高圧縮率の画像も得られる.これにより,例えば印刷や携帯電話の画面表示など,解像度の異なるデバイスの間で1枚の画像を相互に利用できる.

【出典】Interface編集部 編;組み込み技術用語集,Interface 2007年8月号 別冊付録,CQ出版社,2007年8月.

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