鉛フリー

出典: くみこみックス

2009年1月26日 (月) 08:12; Worker (会話 | 投稿記録) による版
(差分) ←前の版 | 最新版を表示 (差分) | 次の版→ (差分)

鉛フリー(なまりフリー)

 製品の廃棄の環境に与える影響から,電子回路の製造工程において有害物質の一つである鉛の使用をなくすこと.また,鉛を含まないはんだに対応した製造工程.鉛フリー化は,まず鉛を主成分とするはんだを,鉛を含有しないものに置き換えることから始まる.さらに,部品の内部に使用している鉛を削減していく.鉛フリーはんだの問題点は,融点が高いこと.このため,使用する電子部品にはより厳しい耐熱性能が要求されるようになる.例えば,今まで220℃のリフロではんだ付けしていた工程を260℃などの高温にしなければならない.比較的熱に弱い電解コンデンサや樹脂を使用した部品などでは,特別な部品設計が必要となる.半導体のモールド樹脂は湿気を吸収する性質があり,吸湿した状態で高温の状態にさらされる.沸点を越えた水分が急激に膨張して樹脂にクラックを生じさせる原因となる.そこで吸湿特性と耐熱特性の優れた樹脂を開発するなどの対応がなされている.部品の内部については,例えば端子のはんだめっきが施されていたり,シリコン・チップを金属ベースに接着するアタッチメントにはんだを使用していたりする.各部品メーカは部品の構成材料に鉛が含まれていないことを示す材料表を提出したり,高温リフロに対応できる保証された部品を用意して鉛フリー要求に対応している.当初登場した鉛を使用しないはんだはもろく,温度サイクルによってひび割れたりする問題があったが,最近では改善されている.

【出典】Interface編集部 編;組み込み技術用語集,Interface 2007年8月号 別冊付録,CQ出版社,2007年8月.

表示