コンピュータ・ウィルス
出典: くみこみックス
コンピュータに侵入し,ユーザが予期しない動作を行うことを意図した悪意のプログラム.システムの正常な動作を妨害するものから,ファイルを破壊するもの,OSの起動情報を削除して再起動できなくするもの,特定の日にメッセージを表示するもの,電子メールに自分自身を添付して大量にばらまくもの,ネットワークのセキュリティを破るものなど,多種多様である.
時代とともにウイルス・プログラムの形態やターゲットも変遷してきた.初期のウイルスの多くは,プログラミング技術の誇示が作成の動機であった.しかし,最近多いのはアプリケーションの自動処理などに利用するプログラミング言語であるVBA(Visual Basic for Application)やVBS(Visual Basic Script)でコーディングされたものである.これらはインタープリタ言語であるため,プログラムの作成が容易で,ソース・コードも見えるなど,高度な技術をもたない者でもウイルスを作成できてしまう.ウイルス・プログラムのうち,特に電子メールやネットワークを使って自己増殖するものをワーム,標的のマシンに侵入してセキュリティ侵害などに使われるものをトロイの木馬と呼ぶことがある.
ウイルスの検出と除去にはウイルス・スキャン・ソフトウェアを使うが,常に最新のウイルス・パターン・ファイルと呼ばれる検出情報ファイルを入手しておかなければならない.ユーザのすそ野が広がり,コンピュータへの依存度が高まるにつれて,コンピュータ・ウイルスによる経済的な損失も加速度的に増大している.
【出典】Interface編集部 編;組み込み技術用語集,Interface 2007年8月号 別冊付録,CQ出版社,2007年8月.