熱抵抗

出典: くみこみックス

2009年3月16日 (月) 07:12; Worker (会話 | 投稿記録) による版
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熱抵抗(ねつていこう) 【Thermal Resistance】

 ある発熱源から熱が伝わっていく過程において,熱の伝わり方を示す値.電子回路では,1Wの発熱を伝えるときに何℃の温度差が生じてしまうかをもって熱抵抗[℃/W]を示す.熱抵抗は,小さい値ほど放熱特性に優れることを示す.トランジスタを例に考えると,シリコン・チップと金属ケースの熱抵抗が1℃/Wということは,トランジスタに10Wの損失を与えたときのチップ温度はケース温度より10℃高いということを意味している.電気回路で置き換えると,損失,すなわち発熱量が電流に相当し,熱抵抗が抵抗に,温度差は電圧降下に相似させて考えられる.

【出典】Interface編集部 編;組み込み技術用語集,Interface 2007年8月号 別冊付録,CQ出版社,2007年8月.


 熱抵抗は温度の伝わりにくさを表す値で,単位時間の発熱量当たりの温度上昇量を指します.単位は ℃/W です.近年のCPUやDSP,FPGAでは熱対策が一つの課題となっています.例えばヒートシンクによって熱抵抗を小さくし,エア・フローを発生させなければならないケースがあります.

【出典】(株)アルティマ 技術統括部 一同,下馬場 朋禄,山際 伸一,横溝 憲治;システム開発者のためのFPGA用語集,Design Wave Magazine 2008年12月号 別冊付録,CQ出版社,2008年12月.


 LSIパッケージにおいて,チップの熱を熱拡散によってパッケージ外部へ放出する場合の熱の流れ具合いを示す値.最近ではチップの外形が大型化しており,その発熱が問題になっている.そのため,熱を放出しやすい(熱抵抗が小さい)パッケージや実装構造が望まれている.


画像:lsi_f60.gif

図 ICの熱放散ルート



【出典】西久保 靖彦;基本システムLSI用語辞典,CQ出版社,2000年5月.

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