VLIW

出典: くみこみックス

2009年3月16日 (月) 08:07; Worker (会話 | 投稿記録) による版
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VLIW(Very Long Instruction Word)

 内蔵する処理ユニットの個数に対応する複数の固定語長の命令を128ビットなどの長い1ワードに格納した命令形式をもつCPUアーキテクチャ.超長語命令アーキテクチャとも呼ばれる.このワードに格納された命令は,CPU内で並列処理することが可能.そのためには,コンパイラなどのソフトウェアによって命令の順序依存性の排除や最適化などの事前処理が必要になる.こうしたオーバヘッドや最適化の精度などがCPUの性能を左右すると言われている.

 Intel社のIA-64(Itanium)やTransmeta社のCrusoeは,VLIWを基本にして独自の改良を加えたCPUである.従来,CPUの処理性能を向上させるには,動作クロック周波数を高め,キャッシュ・メモリを高速化・大容量化するなどして,単位時間当たりに実行できる命令数を増やす必要があった.しかし,CISCに見られるように複雑な処理を行う可変長の命令体系では,複雑なデコーダや順序依存性の検出,アウト・オブ・オーダ処理など,高速化を阻む回路が多数存在するため,限界が見えてきた.この多くをコンパイラで事前処理すれば,集積すべき回路は単純で高速化も容易になるはずである.

【出典】Interface編集部 編;組み込み技術用語集,Interface 2007年8月号 別冊付録,CQ出版社,2007年8月.


 命令長が128ビット以上で,複数の命令を並列実行するマイクロプロセッサのアーキテクチャ.VLIWは,コンパイラで命令の処理依存性を調べ,複数処理の長い固定長(たとえば128ビット)の命令に変換する.したがって,実行時に命令の依存性を調べなくてすむのでハードウェアが単純になる.ただし,そのぶんコンパイラの負荷が増大したり,オブジェクト・コード・レベルのソフトウェア互換性がとりにくいなどの問題がある.


画像:lsi_f125.gif

図 VLIW方式マイクロプロセッサの命令の流れ



【出典】西久保 靖彦;基本システムLSI用語辞典,CQ出版社,2000年5月.

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