逆ポーランド記法
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2009年1月13日 (火) 06:48の版
逆ポーランド記法(ぎゃくポーランドきほう)【Reverse Polish Notation】
コンパイラによる数式処理でよく用いられるテクニックの一つ.複雑な数式でも,スタック操作の概念を導入し,比較的単純な操作に置き換えることができる.RPN(Reverse Polish Notation)と呼ばれることもある.
具体的にRPNで1+2×3を求めてみよう.この式は,RPNでは1,2,3,×,+と表現される.この操作は「1に2と3を×したものを+する」と読めば分かりやすい.式をRPNで記述するには,数値(または変数)は式の左から現れた順に,演算子は式の右側から書き出していく.RPNでは,乗算と加算の演算順位にかかわらず,かっこを含む式でも簡単なアルゴリズムで計算できる.例えば,5×(4+3)ならRPNでは5,4,3+×となる.すなわち,5に4と3を+したものを×すると読めば,演算順位の判定やかっこなしで答えが得られる.実際の計算機内での処理は,数値(変数)を5,4,3の順にスタックに積み上げ,式の左側から演算子を取り出し,スタックから二つの数値(変数の値)を取り出して演算し,結果を再びスタックに積む.以後,スタックから二つの数値(変数の値)を取り出し,次の演算子による演算操作を行い,結果をスタックに積む,という操作を繰り返す.やがて最後にスタックに積んだ値が式の答えとなる.
かつて,RPNを採用した電卓がHewlett-Packard社から販売されていた.この電卓の特徴は,かっこと=のキーがないことである.RPNの場合,最後に得られる値が答えになるため,これらのキーは必要ない.
【出典】Interface編集部 編;組み込み技術用語集,Interface 2007年8月号 別冊付録,CQ出版社,2007年8月.